やってのける

自分を動かす力

自制心

自制心をつけると我慢ができて上手くいく。そんなことを聞いたことはありませんか。

確かに自制心を持つことは重要です。

しかしそれだけでは何かを習慣にすることなど到底できません。

今まで多くのひとが何度も失敗してきたように、自分の心・気持ちで自分を規制することなんてできないのである。

私たちは日々多くの情報に囲まれて生活をしています。

知りたくない情報でも興味のないものでも。どうでもいいことも。気になるけれども自分の力ではどうすることもできないようなことも。

失敗の原因はどこにあるのか

私たちが認識しなくてはいけないのは、

私たちは、なにをすべきか知らないために失敗するのではなく、

何をするか知っていながらも失敗するのが我々なのであるということである。

同じ間違いをまた繰り返すことだってありうるのだから。

シンプルな計画を

ドイツ コンスタンツ大学の社会心理学者であるペーター・ゴルヴィッツァーの実験で、学生に依頼した、期限まで数日しかない、エッセイの提出率に関するものであった。2つのグループに分け、片方には提出に関する情報のみ。もう片方にはエッセイを書く予定の時間と場所を具体的に決めさせ、紙に書かせた。

結果、シンプルな計画を立てなかった学生の期限内の提出率は32%に対し、具体的なシンプルな計画を立てた生徒のそれは71%であった。

簡単な計画を作るということだけでこれだけで私たちは行動することができるのだ。

条件と行動の直結

決意・決定するということに私たちは多くのエネルギーを消費する。

「今週中に○○をする」という意思で行動できる人は少ない。仕事であれば時間が生まれたときにできるだろう。しかしそれが、サブ的なことでダイレクトにお金が生まれるわけでもないことだったとすれば、他の楽しみとの天秤にかけたときに相手側に傾くのであれば行動するのは難しい。

まさにそれが学生におけるレポート・勉強である。

例えば大人であれば、こういう諸問題を易々とお金で解決できるのだ。晩御飯を作る時間がないときは何かを買いに行けばいい。

しかしこどもの宿題にはその逃げ道がないのだ。友達にお金を払って依頼するとなぜか怒られるのである。

子どもたちは必ず自分でやらなければいけないことばかりで一つも逃げ道がないのである。

だからこそ、その時期にしっかりと自分と向き合う時間を作り、必ずその行動をせざるを得ない状況になるように追い込む練習が必要なのである。

そこで使えるのが”if”節である。

では、塾に来ることはできるのに、塾の宿題ができないのはどうしてだろうか。それは具体的な時間・曜日が決まっているかどうかに依存しているのと、先述の実験からも理解できるだろう。

例えば、「月曜日、晩御飯を食べ終わったら、理科の問題集をやろう」

と決めておくと、毎週塾にくることができる子であれば実行できる可能性がかなり高いだろう。

何かをしようと思えば、する場所・時間を決めることである。

大人であれば外で行うこともできるので、火曜日の昼にはカフェで読書をしようというように決めておけばおそらく実行できるだろう。

実際にカフェに行ってしまえば、読書をするしかないのだから、そこまでできれば読書するしかない状況に自らを追い込めているのだ。

まとめ

漠然としているものではなく、場所・時間を指定するようなシンプルな計画を立てることが重要である。

あくまでもシンプルな計画であることに意識してもらいたい。あまりにも事細かに決めてしまうと、中途半端なところで終えなければいけなかったりするため、そこまでの綿密さは必要ない。未達だった場合、その後の行動にも大きく影響をもたらしてしまうことになるからである。

”if”もし、こうなったらこうする。というようなある種の条件反射的な行動を行うことができれば一生ものの能力を手に入れられるだろう。