アウトプット

今後の英語教育について

今回の教科書改訂で大きく変わった英語の内容に、一人の塾講師としても少し驚いてしまった。

確かに、2021年からの中学生の教科書改訂についての変更内容は平成29年、2017年からの告知があったため、覚悟はしていたが、まさかここまでの変化を遂げるとは予想もしていなかった。

実際に多くの新課程に向けた問題集は第2版を作ることになり、習う順番も大きく変わってしまっているように思える。問題集を作成している経験豊富な作問者までもが予想していなかった形態であることが容易く想像できる。

コミュニケーションを目的とした英語教育に関しては大賛成であるが、中学生の教科書には小学生で学んだであろう750語の単語に関しては、既知の前提で記されている。

また、中1・中2の英語の文法は小学生でもう習っているため、復習という形で教科書に掲載されているのだ。習う内容が多いため、説明に関しても半減してしまっている。

しかし、中学校の先生は小学校では結局なんとなく全体をさらっただけであるため、今までと変わらないスタートを切っているのが事実である。はじめの数時間の授業内容はまさかのアルファベットの大文字小文字である。

そんなスタートを切っている中1の生徒たちが本当に旧中1・中2の文法を理解していると思っているのだろうか。

私たちが第一言語である日本語を文法を理解する前に上手に使いこなすことができるのは、毎日、その言語を使っているからの他ならない。

英語に関しては、週に1度の授業でルールも知らずに習っている学習方法なんて、うまくいくはずがないのだ。

確かに全ての日本人が英語を話さなければならないわけではない、。英語を習得してしなくても日本国内で仕事を探すことは何も難しくない。

今大きく時代は変わりつつある。この内容を8割以上の人が理解できるようにと作っているのであれば大誤算である。

しかし、そう考えてみると、一部の人が小学生から英語の重要性に気づき、英語を学んでいけばいいと思っているような気さえしてくる。

あとは現場の先生の力量に任せるような投げやりな態度は本当に酷い。

低学年の英語の学び方に関しては、文法ルールを持ち出すことは不可能であため、今の形で、少しでも英語に触れるという意味ではいいのだと思う。

しかし、5.6年生になれば、文法的なこともしっかりと理解した上での話が必要であると感じる。

そのためには、国語の文法事項の学習も5年生から取り入れるべきである。

日本語ほど複雑でない英語を理解するために必要な国語の文法事項なんて高が知れているではないか。

大きなひずみが今、生じようとしている。

どんな形であれ、その歪みを背負うのはいつだって子どもたちであり、大人ではないのだ。

分からない人は置いていく。それなら、かつてのゆとり教育のほうがよっぽどましではないか。