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流行に乗れるのが若者だけである理由

昔、ブーツカットが流行ったときのことを覚えているだろうか。

31の私にとっては、丁度11歳くらいの頃に流行りだしたので20年くらい前だろうか。

その時に母親にそんなん昔流行ったやつやでと言われながらも、流行りのブーツカットジーンズを買ってもらった。

一昨年・去年と私はその時の母の気持ちを漸く経験することができたのだ。

その時は急にやってきた。

あらゆる雑誌になぜかブーツカットを履いた人が載っているではないか。

これが、ファッションは回ってくるということなんだろうか。

しかしどうも、欲しいとは全く思わないのである。お気に入りのブランドからもブーツカットジーンズが販売され始めたのは去年のことだった。

好きなモデルさんが着ていても、やっぱり買えない。

たまにそれを履いている若い子を街中で見るたびに、やっぱり自分には買えないと何度も思ったのだ。

昔流行ったものだから、既視感によってなかなか履けないのだと思っていたが、近頃それではないことに気づいた。

昔流行ったからではなく、そのブーツカットジーンズにおける一大ブームの終息を見てしまったことが私の考え方に大きな影響を与えていたのだ。

実際に今回はあの頃とは異なり、数年で終わってしまったブームだったと思う。

つまり、一度その自分の大事な服が時代遅れになるという経験が私たちを学習させているのである。

つまり、歳をとるにしたがって私たちは多くの失敗をし、学習し、同じ失敗をしたくないという気持ちから、上手くブームにのることができないのである。

それは、大人が流行にのれないからではなく、流行にのらないという選択をしているのである。過去の終息の記憶がそれを作り上げているのだ。

私たちは多くの経験をし、失敗しないように生きている。

歳をとり、デジャブのような経験から、一度目とは違う、また新たな視点で物事を見ていけたらと思う。

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